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MA的視点から見るNEVE系EQの魅力

August 28, 2018

 

 

音楽のレコーディング/ミキシングなどをしてる人なら、その名を知らない人はいないんじゃないだろうかというほどの伝説的メーカー NEVE(ニーヴ)。特に有名なのが、1073というマイクプリ/EQです。元々は大型ミキシング・コンソール内蔵のモジュールで、ビンテージの実機だと1chで100万円は下らないという代物!登場から50年近く経ついまでも、各社からクローンやインスパイア系のハードウェア、プラグインエフェクトがたくさんリリースされてます。ビデオグラファーの方たちには馴染みはないと思いますが、世に出ている数多の音楽で使われているので、その音には必ず触れているハズ!なぜNEVEがこれほど人気なのかと言うと、まぁ一言でいえば「音が魅力的だから」となるんでしょうが、今回はMA的視点から見た魅力をご紹介しましょう!

 

NEVE 1073の音の特徴として「音が太い」とか「歪み具合が心地よい」などがありますが、「EQが使いやすい」というのもそのひとつ!Adobe Premiere ProやApple Final Cut Pro XなどにもEQプラグインは付属していると思いますが、おそらくこのような見た目のものじゃないでしょうか?

※ 画面はWAVES Q4

 

こういったグラフィカルな見た目はデジタルEQ特有のものですね。こういった、EQの主な3つのパラメーター「周波数」「Q幅」「ゲイン」を自由に設定できるタイプのものをパラメトリックEQといいますが、自由度が高く、細かい音作りができる反面、どこをどういじったらよいのか分からない初心者には難しいと思われるかもしれません。それに対し、元々はレコーディング用ミキサーの一部だった1073はハイ、ミッド、ローの3バンド + HPFという構成。そして、いじれるパラメーターもいくつかは固定、または選択式というセミ・パラメトリックEQとなっています(トップ写真参照)。いじれるパラメーターが少ないということは、それだけ迷いなく操作できるということですね。しかも、選択式の周波数ポイントがとても的を射たチョイスになっているところがミソ!録音時に素早く的確な音作りをするために考え抜かれた設定なのでしょう。これをDAWや映像編集ソフトで使えたら…。というワケで、僕が持っているNEVE 1073系のプラグインEQをご紹介。

 上はIK MULTIMEDIA EQ 73、下はWAVES V-EQ3。どちらもNEVE 1073をエミュレート & 機能追加などを施したプラグインです。VST、AUに対応しているので、PremiereやFinal Cut Proでも使えるはずです!世の中にはもっとたくさんの1073系EQがあって、それこそメーカー公認のものもあったりしますが、気にはなっているものの、僕はプラグインはあまり増やさず、持ってるものを使い倒し、不満が出てきたら買い足すというスタンスなので、まだ手を出しておりません(笑)

 

さて、映像の音声において最も重要なもののひとつがナレーションやダイアログなどの「声」ですよね。ここでは、ナレーションに的を絞って解説します。

 

おおざっぱに言って、「声」にとって重要な周波数帯は以下の通り。

 

・高域(声の明るさや抜けに影響する帯域)

・中域(声の芯となる帯域。どんなショボいスピーカーでもちゃんと聴こえる帯域)

・低域(声の太さなどに影響する帯域)

 

これを1073系EQで設定するとなると、

 

・高域 → 12kHz(EQ 73は周波数固定、V-EQ3は選択式)

・中域 → 1.6kHz

・低域 → 220Hz

 

ちゃんとした環境、マイクで適切に録られたナレーションなら、これらの周波数をほんの少しいじるだけで音作りが完了しちゃいます(ダメな素材はパラメトリックEQ等でがっつり補正しますがw)!これでしっくりこない場合は、中域の周波数を動かしておいしいポイントを探る感じですね。前掲のグラフィカルなパライコでも同じ処理はできますが、選択肢が無限にあるので、やはり初心者にはハードルが高いかもしれません。逆に言うと、上記の周波数帯を目処にすれば、初心者でもある程度的確な処理ができるということでもありますね(笑)。まぁ1073系のEQは適度な歪みによる倍音の付加で、音がリッチでシルキーな質感を得られるという魅力もありますが。

 

ちなみに自由度の高いパラメトリックEQの使い道はというと、もちろんざっくりした音作りにも使えますが、例えばQ幅を極端に細くして、ピークが出てしまっている周波数をピンポイントで削ったりなど、より緻密な補正に使ったりしますね。また、位相の狂わないリニアフェイズのものや、バンド数を自由に増減できるものなど、高機能なものが多いのも特徴。最も応用範囲の広いEQと言えるかと思います。

 

余談ですが、上記2つのEQを同じ設定で聴き比べてみました!EQ 73の方は高域の抜けが良く、割と現代的な印象V-EQ3の方は中低域の倍音の乗りが良く、太くビンテージな印象ですね。特に低域〜中低域の質感は結構違うので、求める音質によって使い分けられます。どちらがNEVEっぽいかと言えば、V-EQ3の方が近い気もしますが、EQ 73はプリアンプ部での歪みのコントロールができるので、音作りの幅は広いと思います。

いかがでしたでしょうか?さすがにビデオグラファーの方がこういったプラグインを買うとは思いませんが(笑)、EQ処理の参考にはなるかと。ただし、音をいじる場合はモニター環境(スピーカーやヘッドフォン)も重要になってくるということはお忘れなく!!

 

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